「AI検索対策」のほとんどは、やらなくていい? Googleが公式に明言した「不要なこと」5つ | 静岡のホームページ制作はホームページ応援隊
2026.05.29

「AI検索対策」のほとんどは、やらなくていい?  Googleが公式に明言した「不要なこと」5つ

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AI Overviews、AI Mode、LLMs.txt、AEO、GEO――ここ1年あまりで、「AI検索時代のSEO」をめぐる新しい言葉が一気に増えました。SNSを開けば「これをやらないと取り残される」「AI時代の必勝法」といった見出しが並んでいて、Web担当者の皆さまが少し焦りを感じてしまうのも、無理のないことだと思います。

そんなときに、ひとつ朗報があります。2026年5月15日、Googleが検索セントラル上で公式ガイドを公開しました。タイトルは「Optimizing your website for generative AI features on Google Search」。市場に飛び交う「AI対策」のほとんどに対して、Google自身が一つひとつ答えを出してくれている、いまもっとも頼れるドキュメントです。本コラムでは、その内容をいっしょに読み解いていきたいと思います。

2026年5月、Googleが出してくれた「公式の答え」

ガイドの中でGoogleが繰り返し述べているメッセージは、とてもシンプルです。

「AI Overviews や AI Mode に表示されるための追加要件は存在せず、特別な最適化も必要ない」

長くSEOに取り組んでこられた方にとっては「これまでの努力は無駄ではなかった」と肩の力が抜ける一文ではないでしょうか。逆に、慌てて「AI対策」を導入しようと検討されていた担当者の方にとっては、ひと息ついて立ち止まるきっかけになる言葉だと思います。Googleの生成AI機能は、結局のところ「Googleのコア検索ランキングと品質システム」に根ざしています。つまりAI検索向けの最適化とは、これまで通りのSEOそのものなのです。

仕組みを知れば、肩の荷が下りるはずです

「とはいえ、本当に特別な対策がいらないの?」と気になられるかもしれません。少し仕組みのお話におつきあいください。

生成AI機能の中核技術は、大きく2つです。ひとつは「RAG(検索拡張生成)」。AIがゼロから答えを作るのではなく、Googleのコア検索が選んだページを参照しながら回答を組み立てる仕組みです。もうひとつは「Query fan-out(クエリ・ファンアウト)」。たとえば「雑草だらけの芝生を直す方法」という質問に対して、AIは内部で「最適な除草剤」「薬品を使わず除草する方法」「予防方法」といった関連クエリを並列で発行し、それぞれの情報を統合して回答を組み立てます。

ここでお伝えしたいのは、どちらの仕組みも入口がGoogleの検索インデックスである、という点です。AI専用の入口というものは、存在しません。だからこそ「通常の検索で評価されないページは、AI機能でも参照されない」のです。裏を返せば、これまで取り組んでこられたSEOが、そのままAI検索対策になっている、ということになります。

「やらなくていいこと」5つを、いっしょに確認しましょう

新ガイドのもっとも価値ある部分は、市場で広まっている「AI対策」を5つに整理し、それぞれに「不要」と明確に判定してくれているセクションです。「これはどうなんだろう」と気になっていたものがある方は、ぜひ照らし合わせてみてください。

  • ①LLMs.txtなどAI向け特殊ファイルの設置:不要です。AIに表示されるための専用ファイル・マークアップ・マークダウンは、存在しません。
  • ②コンテンツのチャンク分割:不要です。Googleはページ内の複数トピックのニュアンスを理解できます。「AIが読みやすい理想のページ長」というものはありません。
  • ③AI向けの書き直し・キーワード網羅:不要です。AIは同義語や文脈を理解しますので、「ロングテールを取りこぼしているかも」とご心配いただく必要はありません。
  • ④外部からの「メンション」獲得工作:効果はありません。不自然な工作は、むしろスパム判定の対象になり得ますので、おすすめしません。
  • ⑤AIのための構造化データ過剰投資:必須ではありません。リッチリザルト用としては引き続き有効ですので、その目的であれば、これまで通り続けていただいて大丈夫です。

これらに使うはずだった予算と時間が浮いた分、別のところに振り向けていきましょう、というのがGoogleからのやさしいメッセージなのだと思います。

では、何に時間を使えばよいのでしょうか

「やらなくていい」が並ぶと、かえって不安になられたかもしれません。けれども、ご安心ください。やるべきことは、むしろシンプルです。

Googleがもっとも大切にしてほしいと伝えているのは、「コモディティでない、価値あるコンテンツを作る」こと。誰でも書ける一般論ではなく、自社にしか書けない一次体験や、担当者の方の専門知識、独自の視点を盛り込むことです。公式ガイドにある実例が、とても分かりやすいので、ご紹介します。「初めて住宅を購入する人のための7つのヒント」のようなどこにでもある記事ではなく、「家を買うとき検査を省略して節約した話:下水管の中身を見てみた」のような、その人にしか書けない記事こそが評価される、というのです。

技術面では、これまで通りの基本がそのまま有効です。クロール許可、内部リンク、ページ体験(Core Web Vitals)、JavaScript SEO、重複コンテンツの削減。地域でビジネスをされていればGoogle Business Profile、ECサイトであればMerchant Centerの整備。新しい技術スタックを導入する必要はなく、いまの土台を丁寧に磨いていけば大丈夫です。

そしてうれしいお知らせがひとつあります。Googleは「AI Overviews経由のクリックは、より質が高く、ユーザーがサイトでより長く時間を過ごす傾向がある」と言及しています。流入数の単純比較だけでは見えてこない価値が、AI検索時代には確かに生まれているのです。

振り回されないために、たったひとつの問いを持ち歩いてください

最後に、皆さまにひとつだけお持ち帰りいただきたいことがあります。新しい「AI対策」の情報が流れてきたとき、こう自問してみてください。

「これは、Googleが公式に必要だと言っているか?」

もし答えがNoでしたら、いったん保留にしてしまって大丈夫です。Web担当者の方が振り回されてしまわないために必要なのは、最新のハックではなく、公式情報という一次ソースに立ち戻る習慣だと思います。

AI時代もSEOは死にません。地に足のついた基本こそ、これまでもこれからも、皆さまの最強の味方になります。次の四半期、社内の担当者の方とまずやっていただきたいのは、新しい裏技を探すことではなく、「自社にしか書けない一次情報」をひとつ思い出してみる、というシンプルな作業かもしれません。


参考:Google検索セントラル「Optimizing your website for generative AI features on Google Search」(2026年5月15日公開)/「AI features and your website」(2025年12月10日更新)