迷惑メールの見分け方【まとめ編】 | 静岡のホームページ制作はホームページ応援隊
2026.05.22

迷惑メールの見分け方【まとめ編】

お役立ち基礎知識

〜シリーズ振り返り+自社ドメインを守るための実践ステップ〜

シリーズ全体の振り返り

本シリーズでは、迷惑メール対策を3つのレベルに分けて解説してきました。

レベル アプローチ キーアクション
初心者編 違和感に気づく 差出人・文面・リンク・日本語をチェック
中級者編 具体的に確認する URLを読む・添付を疑う・公式で確認
上級者編 仕組みで判断・対策する ヘッダー確認・SPF/DKIM/DMARCで自社を守る

初心者編・中級者編は「自分が騙されない」ための知識でした。一方、上級者編では視点が変わり、「自社ドメインがなりすましに悪用されない」という送信側の責任が登場しました。

このまとめ編では、上級者編で解説したSPF/DKIM/DMARCを、実際に自社で導入するための実践ステップを整理します。

大前提:「対応していないだけ」のケースが圧倒的多数

SPF/DKIM/DMARCは、すでに Google Workspace、Microsoft 365、主要なレンタルサーバーのメール機能などで対応済みです。にもかかわらず未対応の企業が多い最大の理由は、技術的な制約ではなく、「管理者が設定していないだけ」というケースが圧倒的多数を占めます。

逆に言えば、設定する意思さえあれば、ほとんどの会社は今日からでも始められます。

自社ドメインを守るための5ステップ

ステップ1:メールサービスがSPF/DKIMに対応しているか確認

まず、自社で使っているメールサービスが SPF/DKIM/DMARC に対応しているかを確認します。主要なサービスはまず対応していますが、古い格安サーバーや一部のレガシーなメールサービスでは未対応のケースもあります

もし未対応であれば、後述するGmail/Yahooの要件にも対応できないため、メールサービスの乗り換え自体を検討すべきタイミングと言えます。

ステップ2:SPF/DKIMを設定する

使用しているメールサービスのマニュアルに従って、DNSにSPFレコードとDKIMレコードを追加します。

ステップ3:メルマガ・フォーム自動返信など”別サービス”も漏れなく対応

意外と見落とされがちなのが、自社ドメインを使ってメールを送信している”別のサービス”です。例えば、

  • メルマガ配信サービス(Mailchimp、配配メール 等)
  • 顧客管理ツールやMAツール
  • 問い合わせフォームの自動返信メール
  • ECサイトの注文確認メール

これらが自社ドメインを差出人として送信している場合、それぞれのサービス側でもSPF/DKIM/DMARCに対応する設定が必要です。これを忘れると、メルマガや自動返信メールだけがDMARC認証に失敗し、相手に届かなくなる、という事態が発生します。

「自社ドメインを使って、どこから・どんなメールが送られているか」をすべて洗い出すことが、DMARC運用の第一歩であり最大の山場でもあります。

ステップ4:DMARCを p=none から始める

いきなり p=reject にすると、正規のメールまで届かなくなるリスクがあります。まずは p=none(モニタリングのみ)で運用を開始し、レポートで配信状況を把握しましょう。

ステップ5:段階的に quarantinereject へ強化

レポートで「正規のメールはすべてpassしている」「なりすましメールだけがfailしている」状態が確認できたら、ポリシーを段階的に強化していきます。reject まで到達してはじめて、DMARCはなりすまし対策として実効性を持ちます

2024年以降、DMARC設定は事実上”必須”に

2024年から、GmailとYahooは「大量送信者(1日5,000通以上)」に対してDMARC設定を義務化しました。これは大企業だけの話ではなく、メルマガを配信している中小企業や、フォームから自動返信メールを送っている会社も対象になり得ます。

DMARCが未設定のままだと、自社からの正規メールが届かなくなる可能性もあるため、規模を問わず早めの対応が推奨されます。

おわりに:見分けるから、守るへ

全4回にわたって、迷惑メールの「見分け方」から、自社ドメインを「守る方法」までを解説してきました。

迷惑メール対策は、自分が被害に遭わないための”守り”だけでなく、自社ドメインが攻撃者の道具として悪用されないための”攻めの守り”でもあります。取引先や顧客の元に「あなたの会社の名前を騙ったメール」が届いたとき、信用を失うのは攻撃者ではなく自社です。

SPF/DKIM/DMARCの設定は、自社のブランドと信用を守るための、現代における基本的なセキュリティ対策と言えるでしょう。

本シリーズが、社内の情報セキュリティ研修や、メール運用の見直しのきっかけになれば幸いです。