「特に何も変えていないはずなのに、検索順位が下がった」「アクセスがじわじわ減っている気がする」。そんな違和感を持ったサイト運営者が、2025年の年末に続出しました。
その原因は、Googleが検索アルゴリズムの“評価の考え方”を大きく変えたことにあります。
ただし今回のアップデートは、これまでのように「このテクニックを使えば順位が上がる」といった明確な答えがあるものではありませんでした。むしろ、サイトの“姿勢”や“信頼性”といった目に見えにくい要素が、静かに、しかし確実に問われるようになったのです。
表面的なSEOの限界と、新たな評価基準
2025年、Googleは年間を通じて3回のコアアップデートを実施しました。
中でも注目を集めたのが、例年にはない12月の年末アップデートです。これは本来、EC需要が高まる時期には避けられる傾向にあるだけに、「よほど検索品質を改善したい強い理由があったのだろう」と業界内ではささやかれました。
実際、このアップデートを境に、検索結果の様相が大きく変わりました。「キーワードは入っているが、どこかで見たような記事」「検索上位をなぞっただけの構成」「筆者の視点が見えない無難な文章」。
こうした“それっぽいSEO記事”の多くが、軒並み順位を落としたのです。
一方で、実体験に基づいた内容や、読者像が明確に想定された構成、「この人(会社)だから書ける」と感じさせる文章は、特別なSEO対策を施していなくても高く評価される傾向が見られました。
より重視されるようになった「経験(Experience)」
検索エンジンが求めるのは、「信頼できて、有用な情報」です。その評価軸として以前から存在していたのが「E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)」という考え方です。
なかでも2025年においては、「経験(Experience)」の比重が大きく高まりました。
ここで言う「経験」とは、単にその業界に長く関わっている、という意味ではありません。実際に体験したこと、現場で得た知見、お客様とのやりとりの中で生まれた声――こうした“一次情報”こそが、今Googleに最も求められている情報なのです。
つまり、どれだけ網羅的であっても、インターネット上の情報を整理しただけのような記事では、評価されにくくなったということ。検索エンジンが今、重視しているのは「現場から生まれた言葉」であり、経験に裏打ちされたコンテンツなのです。
SEOは“テクニック”から“設計”へ
これまでSEOの現場では、「タイトルにキーワードを入れる」「本文は◯文字以上にする」「見出しにはサブキーワードを盛り込む」など、さまざまなテクニックが語られてきました。もちろん、こうした手法が今すぐ無意味になるわけではありません。
しかし、2025年のアップデート以降、それだけでは“足りなくなった”のです。
今、Googleが重視しているのは「誰の、どんな悩みを解決する記事なのか?」という“設計の質”です。ユーザーが検索している背景には、何かしらの課題や迷いがあります。単にキーワードに答えるのではなく、「なぜその言葉で検索したのか」を想像し、適切な文脈と解決策を示すことが求められています。
たとえば「SEO 対策 方法」というキーワードで検索している人は、「自分でやりたい人」「外注すべきか迷っている人」「今の方法で正しいか確認したい人」など、多様な状況が考えられます。
記事を設計する際は、こうした検索者の背景を踏まえた“導線”を描く必要があるのです。
「誰に向けた記事か」が評価を左右する
検索エンジンだけでなく、ユーザーにとっても「誰に向けて書かれているのか」が分かる記事は、信頼感につながります。
だからこそ、記事を書く前には「この記事は、〇〇な悩みを持つ△△のための記事です。」と、1文で書き出してみることをおすすめします。
また、「結論だけを並べた記事」では読者の理解は深まりません。なぜそう言えるのか、失敗例はあるのか、他にどんな考え方があるのか――。こうした背景情報や具体例、よくある誤解などを丁寧に補足することで、滞在時間や信頼度も自然に向上します。
そして何より、自社の事例や視点を惜しまずに盛り込むことが大切です。問い合わせ時によくある質問、現場での工夫、改善して効果があった取り組みなど、いわゆる“リアルな過程”こそが、今のSEOで最も求められている要素です。
技術的SEOは「整備と継続」が鍵
もちろん、検索エンジンに正しく情報を届けるためには、技術的な最適化も必要です。モバイル対応、表示速度、構造化データ、内部リンクの整備など、最低限のSEO基盤は引き続き重要です。
ただし、これらはあくまで“土台”に過ぎません。土台を整えたうえで、「読まれるコンテンツ」を載せていくことが、今後のSEOではより重要になります。
正解を探すのではなく、「信頼」をつくる
今回のGoogleアップデートが伝えているのは、「SEOは正解を当てるゲームではなくなった」ということです。
これからは、検索エンジンを通して出会うユーザーに対し、「このサイトなら読んで損はない」と思ってもらえる信頼づくりが、最も効果的なSEOになります。
つまり、難しく考えすぎる必要はありません。SEOがシンプルに、「誰かの役に立つ情報を、誠実に届けること」へと回帰しているとも言えるのです。